『スタンド・バイ・ミー』 by ロブ・ライナー
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読んだ/観た日:2020/04/17
☆映画総合:3.8
ストーリー:3.8
キャラ:3.9
映像:3.5
独創性:3.5
合理性:3.3
深さ:3.7
爽快さ:3.4
おしゃれさ:3.3
他の人におすすめ:3.5
あらすじ/概要
1959年オレゴンの小さな町。文学少年ゴーディをはじめとする12才の仲良し4人組は、行方不明になった少年が列車に轢かれて野ざらしになっているという情報を手にする。死体を発見すれば一躍ヒーローになれる!4人は不安と興奮を胸に未知への旅に出る。たった2日間のこの冒険が、少年たちの心に忘れえぬ思い出を残した・・・・・・。
感想/考察
子役たちの演技よ笑初々しい感じがよい。こうも大人がでない映画も珍しいのではないか。12才という微妙な時期の、なんというかなんとなく先が見えているようであり、はたまた全く見えていないような時の、その可能性と運命がせめぎ合うなかでしか味わえない微妙な共感が、バランスが、刃物のように、いや、あのピストルのように危うい緊張感の中で安定を求める。
すごくいい作品な気もするし、そうでもない気もするし、ちょっと評価に困る作品。
なぜクリスが死なねばならなかったのか。生と死についていろいろ深い意味がありそうな気もするし、なさそうな気もする。この作品を真に理解するにはちょっと知識が足りないのかも。でもリヴァー・フェニックスさんはすごい人生だなあ…カルトに育てられ、スターダムにのし上がり、コカイン中毒で死亡。その危うさがこの作品に一種の深さを与えているのかもしれない。なんとなくクリスが死んだことに納得してしまったのは、その彼の危うさ故かもしれない。そして弟がジョーカーとは。なるほど、ジョーカーの深みはこの辺からくるのかなあ。
レールというのがそのまま人生のレールのオマージュかもしれないし、特に意味がないのかもしれないが、レールを”歩く”という行為が、そのレールを歩かされているようであり、ちょっとした気まぐれでレールなんか無視していけるようでもあり、でもレールがないとどこか不安で、でもそこを歩いていくだけも何か不満で、ただそういった小さな冒険を経て同じところに帰ってみれば、それはもはや同じところではない。ストーリーをシンプルに、そして映画全体を通してレールを描写することで象徴的に子どもたちのゆらぎを表現しているのかもしれない。シカはそういった意味で、レールを全く無視してあるく存在として、どこか神々しささえ感じられる。レールというのがあくまで人為的なものであることを確認させる。
電車そのものも、自分たちの力の及ばない絶対的な力、親とか社会とか、もっというと死そのものとか、そういうものの象徴なのかもしれない。それに弾き飛ばされて死んでしまった子とそうでない自分たちに、一体どんな違いがあったのか、なかったのか。
なんかもはや「評価とは」、みたいな次元に落ち込みそう。